武蔵野美術大学(ムサビ)に合格した。けれど鷹の台という駅は地図で見て初めて知った。地方から上京する新入生・保護者にとって、まずぶつかるのが「どこに住めばいいのか」という壁です。武蔵美のメインキャンパスは小平市の鷹の台にあり、東京の中心部からは少し離れた場所にあります。
大学くらし編集部が武蔵野美術大学の通学圏を調査しました。先にざっくり言うと、鷹の台駅徒歩圏は5〜7万円台でキャンパスへ徒歩18分の最短ルート、隣の小川や東村山は家賃をさらに抑えやすく、小平・国分寺方面は街の機能と通学の両立を狙えるエリア。ムサビは制作物が多くアトリエに長時間こもる学生も多いため、通学時間と家賃のバランスをどう取るかが選び方の中心になります。
この記事でわかること
- 武蔵野美術大学のキャンパスと通学圏の全体像
- 鷹の台・小川・東村山・小平・国分寺の家賃相場(2026年4月調査)
- アトリエ通いの生活実態とエリアごとの相性
- 市ヶ谷キャンパス(造形構想学部)の住まい選択肢
- 初期費用を抑えるための具体的な方法
武蔵野美術大学のキャンパスと通学圏の全体像
部屋探しを始める前に「自分がどのキャンパスに通うか」を確認してください。武蔵美は造形学部・造形構想学部の2学部12学科体制で、学科と学年によって通うキャンパスが変わります。
| 学部・学科 | 1・2年次 | 3・4年次 |
|---|---|---|
| 造形学部11学科(日本画・油絵・彫刻・視覚伝達デザイン・工芸工業デザイン・建築・基礎デザイン・芸術文化・デザイン情報・空間演出デザイン・写真) | 鷹の台 | 鷹の台 |
| 造形構想学部 映像学科 | 鷹の台 | 鷹の台 |
| 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科(CI) | 鷹の台 | 市ヶ谷 |
鷹の台キャンパス(小平市小川町1-736)は西武国分寺線・鷹の台駅から徒歩約18分。市ヶ谷キャンパス(新宿区市谷田町1-4)はJR中央・総武線、東京メトロ南北線・有楽町線、都営新宿線の市ケ谷駅が最寄り。映像学科は造形構想学部に所属しますが、4年間鷹の台で学びます。CI学科だけが3年次から市ヶ谷へ移ります。
部屋探しの基本軸は、入学から2年間は鷹の台徒歩圏か西武国分寺線沿線。CI学科で3年次に市ヶ谷へ動く可能性がある人は、1・2年次の段階でも引越しコストを意識しておくと安心です。
【鷹の台】キャンパス徒歩18分の王道エリア
鷹の台駅は西武国分寺線の小さな駅で、駅前には飲食店やコンビニ、薬局が並ぶ落ち着いた学生街。改札を出て玉川上水を渡り、上水沿いの遊歩道を15〜20分ほど歩くとキャンパスにたどり着きます。津田塾大学の小平キャンパスも徒歩圏にあり、女子大生と美大生が混ざり合う独特の学生コミュニティがあります。
朝のアトリエ通いから夜の制作まで
朝、鷹の台駅から玉川上水沿いを歩いてキャンパスへ向かう途中、桜並木や新緑のなかをすれ違うのは、ほとんどがムサビ生か津田塾生。リュックに画材や課題作品を抱えた学生の姿が日常風景になります。自転車で5〜8分ほどでキャンパスに着くため、新入生の多くは早い段階で自転車を購入します。
昼は学食か、駅前の定食屋・カフェ。武蔵美の学食は学生街にしては選択肢が広く、洋食からカレーまで日替わりで食べられます。空きコマにアトリエに戻って制作を進める学生も多く、外でのんびりカフェ巡りという文化はあまりありません。
夕方以降はアトリエに残って制作する学生が多いのが武蔵美の特徴。日本画・油絵・彫刻・空デ・建築など、課題のスケールが大きい学科では深夜まで作業することも珍しくありません。終電は西武国分寺線で0時前後と早めなので、帰宅を考えるとキャンパスに近いほど制作時間を確保しやすい構造です。
買い物はキャンパス周辺のコンビニや、自転車圏の小川駅前にあるスーパー(マルフジ・コープ等)で日常の食材をまとめ買い。鷹の台駅前は商店が少ないため、自炊派は小川駅前まで足を伸ばすか、配達系サービスを併用する学生が多めです。
休日は玉川上水を散策したり、多摩湖自転車道を自転車で走ったり、課題のためのスケッチに出かけたり。自然を題材にする学科の学生にとっては、創作環境そのものが日常の中にあります。
家賃相場(2026年4月、SUUMO・HOME’S掲載物件調査)
| 間取り | 相場 | 駅徒歩条件の目安 |
|---|---|---|
| ワンルーム(1R) | 4.5万〜6.5万円 | 徒歩10分以内 |
| 1K | 5万〜6.8万円 | 徒歩10分以内 |
| 1DK | 6万〜8万円 | 徒歩10分以内 |
5万円台の1Kだと、6畳前後の居室にミニキッチン・ユニットバス・小さなクローゼットというのが標準的な構成。築20年以上の物件を選ぶと同条件で5,000〜1万円ほど安くなります。武蔵美生は制作物の置き場や作業スペースを必要とするケースが多いため、収納の広さや床の傷みやすさも見ておきたいポイントです。
鷹の台が向いている人
通学時間を最短にしてアトリエ生活に集中したい人、自転車で5分のキャンパス通いを維持したい人。家賃と通学のバランスを最も良く取れるエリアです。武蔵美は課題のスケールが大きく、深夜のキャンパス→帰宅の動線が安全で短い方が制作リズムが安定します。
逆に、繁華街の活気や深夜営業の店を求める人には物足りない。買い物も平日深夜は厳しいため、街の機能を重視する人は国分寺方面を検討する方が向いています。
【小川・東村山】家賃を抑えたい人の選択肢
鷹の台駅の隣の小川駅・東村山駅は、鷹の台より家賃を抑えながら通学時間を短く保てるエリアです。
小川 — 西武国分寺線で1駅、自転車通学圏
小川駅は鷹の台から1駅、乗車時間は2分。自転車ならキャンパスまで15〜20分で行けます。駅周辺は住宅街で、マルフジ・コープなどのスーパーが揃っているため自炊派には困りません。西武拝島線も乗り入れており、玉川上水・東大和方面への展開もしやすい。
家賃は鷹の台と同等かやや安い水準で、1Rで4.5万〜6万円が相場。築古の物件を狙えば4万円前後の選択肢もあります。駅前は派手さはありませんが、生活インフラがしっかりしているため新入生にも扱いやすいエリアです。
東村山 — 西武新宿線も使える結節駅
東村山駅は鷹の台から西武国分寺線で2駅、乗車時間は4分。駅周辺は西武国分寺線・西武新宿線・西武園線が交差する結節点で、街としての機能は鷹の台より充実しています。駅前にはイトーヨーカドー東村山店があり、食料品から日用品・衣料まで一通り揃います。
西武新宿線が使えるため、新宿方面への外出がしやすいのが強み。バイトやサークル活動で都心に出る機会が多い学生には向いています。家賃は鷹の台より少し安く、1Rで4万〜5.5万円、1Kで6万〜7.5万円。築年数を許容できれば3万円台後半の物件も見つかります。
ただし、東村山駅からキャンパスまでは自転車で20〜25分、徒歩だと厳しい距離。電車通学(東村山→鷹の台)になるため、終電を意識した生活リズムになります。
家賃相場(2026年4月調査)
| エリア | 間取り | 相場 | 鷹の台との差 |
|---|---|---|---|
| 小川 | 1R | 4.5万〜6万円 | ほぼ同等〜やや安い |
| 小川 | 1K | 5万〜6.5万円 | ほぼ同等〜やや安い |
| 東村山 | 1R | 4万〜5.5万円 | やや安い |
| 東村山 | 1K | 6万〜7.5万円 | ほぼ同等 |
鷹の台と家賃水準は近いものの、駅前の利便性や築浅物件の選択肢で差が出ます。鷹の台で希望の物件が見つからないときに広げる候補と考えるとちょうど良い。
小川・東村山が向いている人
小川は鷹の台に近い静かな住環境を確保しつつ、駅周辺のスーパーで生活インフラを安定させたい人に向いています。東村山は駅前の機能性と新宿アクセスを重視する人向け。どちらも家賃の絶対額より「築浅・広め・駅近」を狙える選択肢です。
【小平・国分寺】街の機能を重視する選択肢
鷹の台周辺の住宅街では物足りない人には、小平駅・国分寺駅周辺が候補になります。
小平 — 西武新宿線で街の機能を確保
小平駅は西武新宿線の駅で、鷹の台駅とは別路線。キャンパスまでは小平駅から自転車で15〜20分、または小平→萩山→小川→鷹の台と西武拝島線・西武国分寺線を乗り換えるルートになります。
駅前にはルネこだいら(小平市民文化会館)や西友小平店・サンドラッグなどがあり、駅周辺の生活機能は鷹の台より充実しています。家賃は1Rで5万〜6.5万円。鷹の台より少し高めですが、築浅・駅近の選択肢が広がります。
国分寺 — 中央線が使える文教都市
国分寺駅はJR中央線と西武国分寺線・西武多摩湖線の結節点。鷹の台駅から西武国分寺線で2駅・約6分でアクセスできます。駅周辺には国分寺マルイ・セレオ国分寺・商店街・飲食店が集積し、街としての機能は通学圏内で最も高い。早稲田実業学校や東京経済大学・東京学芸大学(武蔵小金井・国分寺からアクセス可)の最寄り駅でもあり、若い学生が多い活気のある街です。
JR中央線が使えるので、新宿まで約20分・東京駅まで約35分と都心アクセスも良好。市ヶ谷キャンパスへの通学も中央線・総武線で30〜40分前後と現実的な範囲です。
家賃は5万〜7.5万円と通学圏内では高めですが、街の充実度を考えると割安感があります。武蔵美の通学に加えて、バイトやサークルで都心に出る機会が多い学生にとっては、家賃差を取り戻しやすい立地です。
家賃相場(2026年4月調査)
| エリア | 間取り | 相場 | 鷹の台との差 |
|---|---|---|---|
| 小平 | 1R | 5万〜6.5万円 | 0.5万円高い |
| 小平 | 1K | 5.5万〜7.5万円 | 0.5〜1万円高い |
| 国分寺 | 1R | 5.5〜7.5万円 | 1〜1.5万円高い |
| 国分寺 | 1K | 6.5万〜8.5万円 | 1.5〜2万円高い |
国分寺で1Kを7万円で借りた場合、鷹の台で同じ条件なら5.5〜6万円。月1〜1.5万円の差は年間で12〜18万円。画材費や課題制作費に充てられる金額です。
小平・国分寺が向いている人
国分寺は通学・生活・都心アクセスの3点を高水準で満たしたい人向け。武蔵美の課題制作と並行してバイト・インターン・展覧会通いをする学生にとっては、移動コストを下げられる立地です。小平は鷹の台と国分寺の中間で、街の機能を確保しつつ家賃を抑えたい人に合います。
5エリアの比較表
| 項目 | 鷹の台 | 小川 | 東村山 | 小平 | 国分寺 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1R家賃相場 | 4.5〜6.5万円 | 4.5〜6万円 | 4〜5.5万円 | 5〜6.5万円 | 5.5〜7.5万円 |
| 鷹の台キャンパスへ | 徒歩18分 or 自転車5〜8分 | 自転車15〜20分 or 西武国分寺線1駅 | 西武国分寺線2駅 | 自転車15〜20分 | 西武国分寺線2駅・約6分 |
| 街の機能 | 学生街・最低限 | 住宅街・スーパー充実 | 駅前充実・西武新宿線も使える | 中規模商業 | 大規模商業・JR中央線 |
| 深夜の選択肢 | 少ない | 少ない | 中程度 | 中程度 | 多い |
| 静かさ | 静か | 静か | 駅前は賑やか | 駅前は賑やか | 駅前は賑やか |
市ヶ谷キャンパス(造形構想学部CI学科3・4年次)の住まい選択肢
造形構想学部のクリエイティブイノベーション学科は1・2年次を鷹の台、3・4年次を市ヶ谷キャンパスで過ごします。同じ造形構想学部でも、映像学科は4年間鷹の台です。3年次から市ヶ谷へ通うCI学科は、鷹の台組とはまったく違うエリア選びが必要になります。
市ヶ谷駅はJR中央・総武線、東京メトロ南北線・有楽町線、都営新宿線が乗り入れる主要駅。新宿・四谷・飯田橋・神保町といった都心の文教エリアに囲まれています。家賃の絶対額は鷹の台より大幅に高くなりますが、中央・総武線沿線(中野・高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・吉祥寺)や総武線沿線(市ケ谷から1〜3駅)まで広げると、7万〜9万円台の選択肢が見えてきます。
中央線沿線は学生街としての歴史が長く、飲食店・古着屋・本屋・ライブハウスなどクリエイティブな環境が密集。CI学科の課題やフィールドワークとの相性も良いエリアです。3年次の移籍にあわせて住み替える学生が多く、家賃を抑えるなら総武線で錦糸町方面、文化的環境を重視するなら中央線で中野・高円寺方面が定番ルートになります。
初期費用の目安
家賃5.5万円の物件を借りた場合、初期費用は22〜33万円程度になります。敷金1〜2ヶ月分・礼金0〜1ヶ月分・仲介手数料0.5〜1ヶ月分・前家賃1ヶ月分・火災保険や保証料2〜4万円が主な内訳です。礼金ゼロの物件を選ぶか、仲介手数料を抑えられる窓口を使うかで初期費用は5〜10万円変わります。武蔵美の場合、入学後にすぐ画材費・課題制作費が発生するため、初期費用を抑えて手元資金を残す方針も有効です。
家賃+通学コストのトータルで比較する
「家賃が安いから」と遠いエリアに住んでも、定期代と通学時間で差額を使い切ってしまうケースがあります。家賃の目安に通学コストを加えた月額合計で比較してみてください。
| エリア | 家賃目安(1R) | 通学定期代(1ヶ月) | 月額合計 |
|---|---|---|---|
| 鷹の台 | 5.5万円 | 0円(徒歩・自転車) | 5.5万円 |
| 小川 | 5万円 | 0円(自転車)or 1,330円(西武国分寺線1駅) | 5〜5.2万円 |
| 東村山 | 4.7万円 | 1,920円(西武国分寺線2駅) | 約4.9万円 |
| 小平 | 5.5万円 | 約3,000円(バス・自転車併用が現実的) | 約5.8万円 |
| 国分寺 | 6.5万円 | 1,720円(西武国分寺線2駅) | 約6.7万円 |
定期代の元データは西武鉄道の距離別通学定期(大学生1ヶ月)1km 1,150円・2km 1,330円・4km 1,720円・5km 1,920円。鷹の台↔小川は約2km、鷹の台↔国分寺は約4km、鷹の台↔東村山は約5kmの帯になります。鷹の台徒歩圏は定期代がかからないため、トータルコストが最も安く抑えられます。国分寺はトータルでも月1.2万円ほど高いだけで、街の利便性と都心アクセスを考えると現実的な選択肢です。
CI学科で3・4年次に市ヶ谷へ通う場合、国分寺⇔市ケ谷のJR通学定期は1ヶ月8,410円が目安(駅探の通学定期試算)。鷹の台から市ヶ谷直通の定期は無いため、3年次の住み替えタイミングで国分寺・荻窪・吉祥寺などへ移る選択を検討する学生が多いです。
エリア選びの判断フロー
- 学科と年次を確認する — 造形学部・映像学科は4年間鷹の台、CI学科は1・2年次鷹の台→3・4年次市ヶ谷
- 予算の上限を決める — 家賃の上限を決めてからエリアを絞る
- 制作スタイルを考える — アトリエ中心の生活なら鷹の台徒歩圏、街の機能も欲しいなら国分寺方面
- 迷ったら鷹の台 — 通学時間が最短で、家賃と生活のバランスも取りやすい
武蔵野美術大学の新生活で次に読みたい記事
部屋を決めたあとに役立つ実務情報や、入学後の生活を立ち上げるための情報をまとめています。
引越しと手続き
生活費と部屋探し
鷹の台エリア深掘り
- 鷹の台の家賃相場 — エリアページ
入学後の暮らし
参照元・注記
- 家賃相場: SUUMO・HOME’S掲載物件(小平市・東村山市・国分寺市エリア、2026年4月調査)をもとに編集部が整理
- 交通アクセス・所要時間: 西武鉄道・JR東日本・東京メトロの各路線情報および西武国分寺線時刻表(2026年4月時点)
- 定期代: 西武鉄道2026年3月14日改定後の距離別通学定期(大学)1ヶ月・JR東日本駅探通学定期試算(2026年4月時点)をもとに算出
- キャンパス・学部学科情報: 武蔵野美術大学 入学案内・公式アクセスページ(2026年度)
- 学園祭(芸祭): 武蔵野美術大学公式 学事カレンダー(2025年度は10月24〜26日開催)をもとに記載
- スーパー・飲食店情報: Googleマップ掲載情報および編集部による現地調査(2026年4月)
- 初期費用の項目・金額帯: 宅地建物取引業法に定める費用項目をもとに編集部が整理
- 掲載家賃は参考値です。実際の家賃・定期代は物件の条件・空き状況・時期・運賃改定によって異なります