ゴールデンウィーク明けの大学は、4月とは空気が変わります。新歓の熱は落ち着き、履修も固まり、授業は普通に進む。実家へ帰った人は、駅のホームで親と別れたあと、東京行きの新幹線や夜行バスの座席で急に寂しくなる。部屋に戻るとシンクに残ったコップを見て、「この生活を4年続けるのか」と思う。
この「もう辞めたい」は、大学選びの失敗だけを意味しません。4月の高揚が切れ、休みで一度実家のリズムに戻り、5月から本当の通常運転が始まる。その段差に体と気持ちが追いつかない状態です。
この記事でわかること
- GW明けのしんどさは、大学・サークル・バイトを同時に判断しない
- 5月第2週は出席、睡眠、食事の3つだけ守る
- サークルは仮所属のまま距離を置いてもいい
- バイトは面接や初シフトを急がず、時間割との相性を先に見る
- 相談先は友達だけでなく、学生相談室や保健センターも使う
5月第2週 — 判断を急ぎすぎない
GW明けの月曜、1限の教室に入ると、4月に仲良くなった人たちが少し別のグループに見えることがあります。連休中にサークル旅行へ行った人、実家に戻った人、バイトを始めた人。自分だけ何も進んでいない気がして、大学に居場所がないように感じる。
この週に、退学、休学、サークル退会、バイト応募を一気に決めない方がいいです。気分が落ちた状態で大きな決断をすると、選択肢を狭めやすい。まずは5月第2週を「通常運転に戻す週」と決めて、出席する授業を3つだけ守ります。
選ぶ基準は、出席点がある科目、必修科目、友達に会える科目です。全部を完璧に戻そうとするより、大学との接点を切らさないことを優先します。LMSで課題の締切を確認し、間に合わないものは教員に短いメールを送る。「体調不良で提出が遅れます。対応可能か確認したいです」くらいで十分です。
大学を辞めたい気分の中身を分ける
「大学を辞めたい」と言っても、中身はいくつかに分かれます。授業が難しいのか、友達がいないのか、通学がつらいのか、一人暮らしがしんどいのか、学費や生活費が不安なのか。ここを混ぜたまま考えると、全部を大学のせいにしてしまいます。
紙かスマホのメモに、しんどい要素を3つ書き出します。たとえば「英語の課題が重い」「サークルの飲み会が苦手」「夜に自炊する気力がない」。この3つは対処先が違います。英語はTAや授業担当教員、サークルは代表や同期、自炊は買い物動線や学食の使い方で変えられます。
大学の保健センターや学生相談室は、こういう整理にも使えます。体調が悪い人だけの場所ではなく、「辞めたい気分があるが、何から考えればいいかわからない」という段階で相談できます。予約が埋まる時期もあるので、GW明けにしんどさが続くなら早めにフォームを見ます。
サークルを続けるか迷うとき
4月は新歓で歓迎され、LINEグループにも入ります。5月になると、練習、定例会、飲み会、合宿説明会が始まり、急に「本所属」の空気が出る。ここで合わないと感じるのは自然です。
サークルは、大学生活の全部ではありません。5月の時点では、距離を置く、別のサークルを見に行く、学部の友人関係を優先する、という選択ができます。「今月は授業に慣れたいので参加を減らします」と代表に伝えれば、多くのサークルでは調整できます。
辞めるか迷うときは、土日の朝の気分を見ます。前日の夜にサークルの予定があり、翌朝にひどく疲れている。LINE通知が来るたびに胃が重い。お金や時間の負担が大きい。こういう状態なら、6月まで我慢するより、参加頻度を下げる方が生活を守れます。
一方で、サークル内に一人でも話しやすい同期がいるなら、その人にだけ「最近ちょっと疲れてる」と言ってみる。全体のノリは苦手でも、個別の関係が残ることがあります。大学の人間関係は、グループ単位で合わなくても、個人単位で残せるのが救いです。
バイトを始める焦りを止める
GW明けは、周りがバイトを始めた話をし始めます。高田馬場の居酒屋、御茶ノ水の書店、日吉駅前のカフェ、多摩センターのサンリオピューロランド。求人サイトを見ると、マッハバイト、タウンワーク、マイナビバイトに学生歓迎の文字が並び、早く決めないと遅れる気がします。
ただ、5月に気分が落ちているなら、固定シフトのバイトを急いで始める必要はありません。まずは時間割を見て、翌日1限がある夜にシフトを入れない、必修の課題提出日前日は空ける、週2回からにする、という条件を決めます。
東京の学生街では飲食やコンビニが時給1,226〜1,500円台(2025/10/3改定後の東京最低賃金1,226円が下限)、地方都市では1,023〜1,300円台の求人が多く見られます。塾講師は時給が高めに見えても、準備時間を含めると体力を使います。5月は「稼げるか」だけでなく、「授業を壊さないか」で選びます。
扶養も早めに意識します。令和7年度税制改正で、親の扶養控除の基本枠は給与123万円以下(月平均約10.3万円)、19歳以上23歳未満は特定親族特別控除で123万円超〜150万円以下まで満額63万円控除(月平均約12.5万円)。社会保険の被扶養者認定も2025年10月以降、19〜23歳は150万円未満が新基準です。夏休みにまとめて稼ぐ予定があるなら、5月から飛ばしすぎない方が年間の調整がしやすくなります。
実家から戻った夜の扱い方
GWに実家へ戻ると、冷蔵庫に食事があり、風呂が沸いていて、洗濯物が気づくと畳まれている。その後に一人暮らしの部屋へ戻ると、静かさが急に重くなります。帰省の翌日は、生活の差で気持ちが落ちやすい日です。
戻った夜にやることは、全部ではなく3つだけにします。翌朝の朝食を買う、洗濯機を回す、ゴミをまとめる。これで翌日の自分が少し助かります。料理はしなくていい。駅前の松屋、すき家、コンビニのサラダチキンとおにぎりでも、帰省明けの夜としては十分です。
親に連絡するなら、「戻った」と一言で済ませます。寂しさを全部話そうとすると、自分でも整理できずに泣けることがあります。落ち着いたら週末に電話する、と決めておくと、実家との距離を自分で作れます。
5月後半に向けて
GW明けのしんどさは、5月後半に少し薄れることがあります。授業の教室に慣れ、学食の混み方が読め、サークルの距離感もわかってくるからです。今すぐ大学生活全体を評価しなくても、2週間後の自分は別の景色を見ているかもしれません。
それでも眠れない、食べられない、涙が止まらない、外に出られない状態が続くなら、学生相談室、保健センター、家族、信頼できる教員に早めにつなぎます。大学を続けるかどうかの判断は、体調が底のときではなく、情報と支援を得た状態で考えた方が現実的です。
連休明けの週末をどう使うか
GW明けの平日をどうにか終えたら、最初の週末は予定を詰めすぎない方がいいです。土曜にサークル、日曜にバイト面接、夜に友達との外食を入れると、月曜の朝にまた動けなくなります。土日のどちらかは、洗濯、買い出し、課題確認だけの日にします。
買い出しは、翌週の自分を助けるためにします。米、卵、冷凍うどん、ヨーグルト、カット野菜、レトルトカレーを買っておく。高田馬場なら西友やまいばすけっと、日吉なら日吉東急アベニュー、三田ならライフで、重いものは一度に買いすぎない。帰り道に持てる量で十分です。
日曜の夜は、翌週の授業を3つだけ確認します。課題の締切、出席を取りそうな授業、友達に会えそうな授業。全部の予定を完璧に整える必要はありません。月曜の朝に「何から行けばいいか」が見えていれば、連休明けの気分は少し扱いやすくなります。
5月の目標は、強くなることではありません。授業、部屋、食事、人間関係の線を細く残すことです。辞めたい気分が来た日も、駅まで歩く、1科目だけ出る、同期にスタンプを返す。小さな動きが、6月の自分を大学に残してくれます。
数値の参照元
- 東京都最低賃金(時給1,226円、2025年10月3日発効): 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和7年度)
- 所得税・扶養控除のライン(123万・150万・160万): 国税庁「令和7年度税制改正」関連資料(2026年5月閲覧)
- 19〜23歳の被扶養者認定(年収150万円未満・2025年10月1日以降): 日本年金機構
- 五月病・適応障害の説明: 厚生労働省「こころの耳」(2026年4月閲覧)
- 大学の試験制度・出席率: 一般的な大学制度をもとに編集部が整理。具体的な制度は大学・学部により異なります
- 掲載数値は参考値です。最新情報は各窓口でご確認ください