平日は本郷通りを歩いて研究室に入り、昼は中央食堂で食べ、夕方は総合図書館で論文を読む。本郷キャンパスに通う東大生の平日は、この動線を何往復もするうちに固まっていきます。
では土曜と日曜には何をしているのか。本郷で一人暮らしをする学生の休日は、「キャンパスと自宅の周辺で完結する日」と「地下鉄で少し足を伸ばす日」の2系統があり、どちらも半径30分圏で成立します。
この記事でわかること
- 土曜の朝: 三四郎池から始まる散歩
- 後楽園・東京ドームシティで体を動かす日
- 湯島天神と湯島聖堂の文教ルート
- 神保町の古書街をめぐる
- 秋葉原まで15分の距離感
- 日曜の小石川植物園と近所の買い出し
土曜の朝は三四郎池から始まる
平日の起床は8時台でも、土曜は9時半。目覚ましをかけない朝のコーヒーを部屋で入れて、トーストを焼いて、カーテンを開けるところから一日が始まります。
本郷キャンパスは土曜日も学生証があれば入れます。赤門は2021年2月から耐震改修で閉門中(2027年再開門予定、東京大学公式)のため、正門や本郷通り側の出入口から入って三四郎池の方向に歩いていく。夏目漱石の『三四郎』の舞台になった池は、平日昼間は観光客や保護者の姿が目立ちますが、土曜の午前中は人が少なく、水面を眺めながらベンチでコーヒーの残りを飲めるくらいの静けさです。
三四郎池の周囲には落葉樹が多く、秋は紅葉、春は桜の花びらが水面に浮かびます。スマホの画面をしばらく見ずに過ごす時間を作れるのが、キャンパス内に住む感覚の近い本郷エリアの贅沢。この散歩だけで午前中が過ぎていくこともあります。
後楽園・東京ドームシティで体を動かす日
本郷三丁目駅から丸ノ内線で1駅、徒歩でも15分ほどで後楽園に出られます。東京ドームシティはコンサート会場として知られていますが、スパ ラクーアや屋内ジム、ボウリング場も入っていて、学生が使える設備が多い。
友人と集まって午後をつぶす日はここが候補に入ります。スパ ラクーアやシアターGロッソ・IMM THEATER等の劇場系もあり、夕方まで過ごすパターンが組めます。LaQuaのレストランは価格帯が高めですが、ドーム周辺のチェーン系飲食店は学生が入りやすい値段です。映画を観たい日は、神保町・有楽町方面の映画館まで地下鉄で出る形になります。
天気のいい日は小石川後楽園を選ぶ手もあります。後楽園駅から徒歩5分の日本庭園で、入園料は一般300円・65歳以上150円・都内在住or在学中の中学生以下は無料(公式料金)。大学生は一般料金になりますが、池と築山の周囲を1時間ほどかけて歩くと、都心にいることを一時的に忘れる景色が広がります。
湯島天神と湯島聖堂の文教ルート
本郷から南に歩いて15分、湯島に出ます。受験生が合格祈願に訪れる湯島天神(湯島天満宮)は2月から3月の梅まつりが有名で、約300本の梅が咲く境内はこの時期だけ観光地になります。
湯島天神からさらに南に下ると、御茶ノ水方向に湯島聖堂があります。1690年に5代将軍綱吉が建立した孔子廟で、江戸時代には幕府の学問所「昌平坂学問所」だった場所。入場無料で、境内は観光地というより静かな散歩コースです。
このルートは「歩くだけで文教地区の空気を吸える」散歩道で、受験直前の時期には本郷に住む東大生が後輩の合格祈願をしに立ち寄ることもあります。往復で1時間半ほど、カフェに寄りながら回ると半日コース。
神保町の古書街をめぐる
本郷三丁目駅から都営三田線と大江戸線で乗り継いで神保町まで10分。地上を歩いても25分で着きます。日本最大級の古書街で、靖国通り沿いに専門書店が連なっていて、通り全体が本屋の集合体になっている。
文学部・法学部・経済学部の学生が、自分の研究分野の古書を探しに通うのがこのエリア。新刊では手に入らない絶版本や、教員の推薦図書を安く揃えるのに使います。1冊500円から数千円まで価格帯は幅広く、丸一日かけても全部は回りきれません。
古書店のあいまにはコーヒーの名店が点在しています。さぼうる、ラドリオ、ミロンガ・ヌオーバといった老舗喫茶は開業から半世紀以上たっている店ばかり(神保町の老舗喫茶エリカは2019年3月に閉店)。古書を数冊買い込んで、喫茶店で読みながら半日過ごす——このリズムが成立するのが神保町の強みです。
秋葉原まで地下鉄で15分
趣味の買い物や電子部品の調達なら秋葉原。本郷三丁目駅から丸ノ内線で東京駅、徒歩で神田に出れば15分ほどで秋葉原エリアに入れます。大江戸線で上野御徒町に出て徒歩というルートもあり。
理工系の学生は電子部品街に通う頻度が高く、秋月電子通商や千石電商で回路部品を調達します。1年生向けの工作課題から研究室のプロトタイプ製作まで、秋葉原が近いのは本郷キャンパスで学ぶ実務的なメリットです。
秋葉原まで15分の距離感は、趣味の買い物にも効きます。週末に少しだけ足を伸ばして、夕方には本郷に戻って夕飯を作る——この余裕が地下鉄の沿線に住む利点です。
小石川植物園で本を読む日曜日
日曜日の午後は小石川植物園。本郷キャンパスから徒歩20分、または地下鉄で茗荷谷駅まで移動して徒歩15分(公式FAQ)。東京大学大学院理学系研究科附属の植物園で、東京大学の教職員・学生は所定の利用規則のもと学生証/職員証を提示して入園できます。
園内は広く、日本庭園エリアから雑木林、薬草園まで歩いて回ると2時間近くかかります。ベンチが各所にあるので、本を持ち込んで読書する日曜日が成り立つ。春は桜、秋は紅葉が見られ、平日よりも休日のほうが訪問者数は少なめで、静かに過ごせます。
一人の日曜日、近所の買い出し
植物園から戻ったら、日曜夕方の恒例になる買い出し。マルエツ プチ 本郷二丁目店は駅から徒歩5分前後、日常の補充に使える小型店舗(7-23時)で、まいばすけっと 本郷3丁目店は徒歩3分で品揃えが広い。1週間分の食材を2,000〜3,000円分まとめて買い込んで、冷蔵庫に詰めておく。
日曜の夜は翌週の弁当も兼ねて多めに作ることがある。カレー、パスタ、肉野菜炒めといった作り置き向きのメニューが中心。1Kのミニキッチンでも鍋とフライパンがあれば十分です。
食事を終えたら、明日の時間割を確認してカバンを用意する。シャワーを浴びて、23時頃には布団に入る。本郷の日曜の夜は早稲田や渋谷と比べても格段に静かで、窓を閉めれば音はほとんど聞こえません。
本郷の休日のリズム
派手な遊びはないけれど、退屈でもない。キャンパス内の池を散歩する、後楽園のスパや劇場で過ごす、神保町で古書を漁る、小石川植物園で本を読む——半径30分圏にこれだけの選択肢があるのが本郷エリアの強みです。
月曜の朝にまた本郷通りを歩いてキャンパスに向かう。充電できていれば、週の立ち上がりは軽い。本郷で暮らす休日は、研究生活と文教地区の空気のなかで無理なく過ぎていきます。
本郷で暮らす1日のリズムを見る → 本郷の学生向け安い飯を見る →
数値の参照元
- 小石川後楽園・小石川植物園の入園料・アクセス: 東京都公園協会・東京大学大学院理学系研究科附属植物園公式サイト(2026年4月閲覧)
- 湯島天神 梅まつり: 湯島天満宮公式サイト(2026年4月閲覧)
- 湯島聖堂: 公益財団法人斯文会公式サイト(2026年4月閲覧)
- 東京ドームシティ・LaQua: 株式会社東京ドーム公式サイト(2026年4月閲覧)
- 神保町古書街: 東京都古書籍商業協同組合公式情報(2026年4月閲覧)
- 交通アクセス・所要時間: 東京メトロ・都営交通の路線情報(2026年4月時点)
- 価格・営業時間は変動することがあります。訪問前に最新情報を確認してください
東京大学の総合ガイド
まず読む 東京大学で一人暮らしするならどのエリア?本郷・駒場のキャンパス移動を踏まえた住み分け 東京大学に合格した新入生向け。1・2年次は前期課程(教養学部)で初めの1年半は駒場中心、2年Aセメスター以降は進学先により本郷・駒場・弥生等に分かれる独特の事情を踏まえ、本郷・駒場・中間エリアを暮らしの実感で比較します。