「就活っていつから始めればいいの」という問いに対して、先輩から返ってくる答えはばらばらです。3年の夏からで十分という人もいれば、1年のときから意識しておけばよかったと後悔する人もいる。ここでは1年生から4年生まで、学年別に「いつ・何を・どの深さでやるか」を時系列に沿って並べてみます。

この記事でわかること

  • 本格的な就活は3年生の6月(サマーインターン応募)から始まる
  • 1〜2年生の蓄積(サークル・バイト・資格)が自己PRの材料になる
  • 3年生の夏にサマーインターン、冬に本選考直結型のインターン
  • 3年生3月〜4年生6月がES提出・面接のピーク
  • 4年生の6〜8月で内々定が出るのが一般的なスケジュール

就活のスケジュールはこの形で動いている

経団連は2021年春入社以降を対象とする「採用選考に関する指針」を策定しない方針に転換し、現在の就活日程は政府(内閣府等)の「就職・採用活動に関する要請」に移っています。要請では会社説明会など広報活動の開始が3年生の3月1日以降、選考活動の開始が4年生の6月1日以降、正式な内定が4年生の10月1日以降という目安が示されています。実態としては、インターンシップという名目で3年生の夏から早期選考が動き出しているのが現状です。

おおまかな流れを並べるとこうなります。

学年・時期やること温度感
1年生サークル・バイト・資格で経験を積む意識づけ
2年生自己分析・業界研究・夏のインターンに挑戦準備
3年生 春サマーインターン応募・就活サイト登録・ES練習本格始動
3年生 夏サマーインターン参加・業界絞り込み実践
3年生 秋〜冬秋冬インターン・早期選考・OB訪問選考開始
3年生 3月〜4年生春会社説明会・ES提出ピーク・面接山場
4年生 6〜8月本選考・内々定クロージング

リクルート就職みらい研究所の最新「就職白書2026」(2026年2月20日公表)では、大学生(2026年卒)の内定率は6月1日時点で81.6%、10月1日時点で93.9%。6月までに内々定を取っている学生が大多数という構造は変わっていません。

1年生 — 就活を意識する必要はない、でも種はまいておく

1年生のうちから「就活のために」と動く必要はありません。ただし、あとで自己PRや面接で話す材料になるのは、この時期に積んだ経験です。

サークル活動は定番のネタになります。役職について予算や人を動かした経験、大会で結果を出した経験、新歓で新入生を集めた経験——こういうストーリーは3年生になってから慌てて作れるものではありません。続けているうちに自然と生まれるものなので、入学直後に興味のあるサークルに入っておくのが一番シンプルです。

アルバイトも同じです。飲食店のホールでクレーム対応を経験した、塾講師で生徒の成績を上げた、コンビニで新人教育を担当した——どんなバイトでも「課題を見つけて改善した」エピソードは作れます。2年以上続けているバイトがあると、面接で深掘りされたときに答えやすくなります。

資格はTOEICと簿記3級が定番です。TOEICは600点を超えると履歴書に書ける水準、730点を超えると語学力としてアピールできる水準になります。日商簿記3級は商学部・経済学部以外の学生でも3〜6ヶ月の独学で取れる範囲で、金融・商社・経理系を志望するなら持っておいて損はありません。1年生のうちに1回受けておくと、2〜3年生で余裕を持って再挑戦できます。

GPAもこの時期から積み上がります。大学院進学や外資系・金融系の一部企業ではGPA3.0以上を足切り基準に使う企業もあります。1年生で単位を落とすと後から挽回が大変なので、楽単よりも興味のある授業を取って評価を稼ぐのが現実的です。

2年生 — 自己分析と業界研究のスタート

2年生になると、就活を少しずつ意識し始める時期です。ただ「ES対策」のような実務的な準備はまだ早い。この時期にやるべきは、自分と業界を知ることです。

自己分析はモチベーショングラフから始めるのが定番です。小学校〜現在までの出来事を時系列で並べて、そのときのモチベーションを縦軸に描く。高かった時期と低かった時期に何があったかを振り返ると、自分が何を大事にしているかが見えてきます。「人から感謝されたとき」「難しい課題を突破したとき」「仲間と何かを作り上げたとき」——どこでモチベーションが上がるかがわかると、向いている職場の特徴が見えてきます。

業界研究は、気になる業界を3〜5つ挙げて、それぞれの特徴を調べる作業です。総合商社・コンサル・金融・メーカー・IT・広告・人材・マスコミ——新聞の経済面や「業界地図」(東洋経済・日経)を1冊買って読むと、業界ごとの平均年収・上位企業・ビジネスモデルがひととおりわかります。

夏のインターンに挑戦するのもこの時期です。2年生向けのインターンは数が少ないものの、長期インターン(スタートアップや中小企業で週2〜3日、数ヶ月働く)に参加すると、実務経験がそのまま自己PRになります。Wantedlyやインターンシップガイドで募集を探せます。

3年生 春(4〜6月) — 本格スタート、就活サイト登録とES練習

3年生の4月からが、多くの学生にとって就活の本格スタートです。この時期にやることは大きく4つあります。

就活サイトへの登録は最初の一歩です。リクナビ・マイナビは最大手でエントリー数が多いので必須。OpenWorkは現役社員の口コミが読めるので企業のリアルな働き方を把握するのに便利です。ONE CAREER・外資就活ドットコムは選考体験記が充実していて、過去のESや面接の質問が見られます。4〜5つ登録しておくのが定番です。

サマーインターンの応募は5〜6月が締切のピークです。外資系コンサル・投資銀行の一部は5月締切、日系大手は6月〜7月締切。ES(エントリーシート)と簡単な適性検査を通過すると、6月〜8月のインターンに参加できます。ここで合格するには、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)と志望動機を書けるようにしておく必要があります。

ES練習はこの時期から始めます。ガクチカ・自己PR・志望動機の3本柱を、それぞれ400字で書けるようにしておく。最初から完璧を目指さず、書いて先輩やキャリアセンターに見てもらう往復を3〜5回繰り返すと、だんだん形になっていきます。大学のキャリアセンターはES添削を無料でやってくれるところが多いので、一度持ち込んでみると一気に品質が上がります。

SPI・WEBテスト対策もこの時期から開始すると余裕を持てます。SPI3が最もメジャーで、「これが本当のSPI3だ」(通称・青本)が定番の問題集。言語・非言語・性格検査の3領域があり、非言語は中学〜高校数学レベルですが、時間制限が厳しいので慣れが必要です。玉手箱・TG-WEB・CAB・GABといった別形式のテストを課す企業もあります。夏〜秋に1冊仕上げておくと、3年生3月以降の本選考ラッシュで慌てずに済みます。

3年生 夏(7〜9月) — サマーインターンで業界を絞る

7〜9月はサマーインターンの本番です。1日〜2週間の短期プログラムが中心で、業界の実務に触れられます。

サマーインターンの意味は2つあります。1つは業界の実像を知ること。「商社ってかっこよさそう」と思って入ったインターンで「想像と違った」と気づくのは貴重な経験です。もう1つは早期選考への接続。外資系コンサル・外資系投資銀行・一部の日系大手は、サマーインターンの成績優秀者に10〜11月の早期選考案内を送ります。この早期選考で内々定が出るパターンもあります。

複数のインターンに参加して比較するのがおすすめです。1つの業界しか見ていないと、相対比較ができず「この業界がいい」という判断が曖昧になります。金融・コンサル・メーカー・ITから1〜2社ずつ、合計3〜5社のインターンに参加すると、自分が働くイメージが湧きやすい業界がわかります。

インターンの合間に、OB訪問を始める人もいます。大学のキャリアセンター経由、サークルやゼミの先輩経由、マッチャー(Matcher)やビズリーチキャンパスといったOB訪問アプリ経由で、現役社会人に話を聞く機会を作る。1時間のOB訪問で、Webには書かれていない「配属のリアル」「残業時間の実態」「昇進のスピード感」が見えてきます。

3年生 秋〜冬(10〜12月) — 秋冬インターンと早期選考

秋冬インターンは、本選考直結型が増えてきます。2daysや3daysの短期プログラムで、成績優秀者が早期選考ルートに乗る形式です。金融・コンサル・総合商社・大手メーカーの多くがこのパターンを使っています。

この時期は志望業界を2〜3つに絞り込むフェーズです。サマーインターンで得た感触をもとに、「本気で受ける業界」を決める。絞り込まないまま広く浅く動き続けると、3年生3月以降のES提出ラッシュで手が回らなくなります。

OB訪問もこの時期に集中させます。志望企業ごとに2〜3人のOB・OGに会うのが目安。質問内容は「入社前後のギャップ」「1日のスケジュール」「配属の決まり方」「キャリアパスの実例」「企業の強み・弱み」——Webで調べればわかることではなく、その人だから答えられる質問を用意します。

11〜12月には外資系コンサル・外資系投資銀行の早期選考が本格化します。マッキンゼー・BCG・ベイン、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーといった外資系は、3年生の秋〜冬に内々定を出し切るところも多い。志望する場合は、この時期に向けてケース面接(コンサル)・フェルミ推定・英語面接の対策を進めます。

3年生3月〜4年生春(3〜5月) — ES提出と面接のピーク

3月1日は就活の最大の山場です。政府要請(現行制度)では、この日から企業の採用広報活動が解禁される建付けで、多くの日系大手が会社説明会を一斉に始めます。

この時期にやることは、ES提出・会社説明会・WEBテスト・面接が並行で走る、という状態です。リクルート就職白書2026のデータでは、ES等書類提出は平均12.43社、適性検査・筆記試験は9.76社、対面面接5.08社、Web面接7.62社。志望業界の幅や個人の戦略で20〜30社以上に出す学生もいますが、平均は10社台前半です。3月だけで週3〜4回の説明会、4月はESを書きながら1次面接、5月は2次・3次面接といった流れが一般的です。

ESの使い回しは基本戦術です。ガクチカ・自己PR・志望動機の骨格を作っておき、企業ごとに志望動機だけカスタマイズする。完全に書き直すと時間が足りなくなります。一方、志望動機をそのまま使い回すと採用担当者に見抜かれて落ちます。企業ごとに「なぜその会社か」を2〜3文だけ差し替える、というのが現実的な落とし所です。

面接対策は、想定問答を作って声に出して練習します。ガクチカの深掘り(「なぜそう考えたか」「そこから何を学んだか」)、志望動機、逆質問——この3つを中心に、友人と模擬面接をやっておくと本番で落ち着いて話せます。最近は録画型の模擬面接ツール(企業向けAI面接として使われるHARUTAKA等)もスマホで自己練習に転用できますが、ツール名やUIは時期によって変わるため、最新の口コミとレビューを確認してから選びます。

エージェントの活用もこの時期に本格化します。就活エージェント(キャリアチケット・Meets Company・dodaキャンパスなど)は、登録すると非公開求人の紹介やES添削・面接対策をしてくれます。大手ナビサイトだけでは出会えない中堅・ベンチャー企業の紹介も多く、併用する学生が増えています。

4年生 6〜8月 — 本選考と内々定

政府要請の「選考活動の開始は4年生の6月1日以降」という建付けから、6月は最終面接が集中する月です。日系大手の多くはこの時期に内々定を出します。

6〜7月で内々定が出れば、就活はひと段落です。リクルート就職白書2026では、2026年卒の6月1日時点の内定率が81.6%。複数の内々定を持っている学生も多く、7〜8月は最終的にどこに行くかを決めるフェーズになります。

6月に内々定が取れなかった場合も、焦る必要はありません。7〜8月は夏採用、9〜10月は秋採用、11〜12月は冬採用と、大手・中堅企業の追加募集は続きます。リクナビ・マイナビでは「追加募集」「通年採用」の特集が組まれるので、継続的にチェックします。ベンチャー企業は通年採用が多く、年中応募できるところも多い。

内々定承諾の前に、OB訪問で確認しておきたいことをもう一度整理します。配属先の希望がどこまで通るか、1年目の給与と手取り、残業時間の実態、転勤の有無——内々定が出てから聞きにくいこともあるので、承諾前の最後のチェックとして時間を取る価値があります。

準備ツールのまとめ

学年を通じて使うツールをまとめます。

就活サイトは、リクナビ・マイナビ・ONE CAREER・OpenWork・外資就活ドットコムの5つが定番です。それぞれ強みが違い、リクナビ・マイナビは求人数、ONE CAREERは選考体験記、OpenWorkは社員口コミ、外資就活は外資系・日系トップ企業の情報。全部登録しておいて、用途で使い分けます。

SPI対策は「これが本当のSPI3だ」(通称・青本、SPIノートの会)が定番問題集。玉手箱・TG-WEBは別の問題集を用意する必要があります。3年生の夏に1冊、冬に模試を受けて実力確認、3月までに仕上げるというスケジュールが現実的です。

ES添削は、大学のキャリアセンター・就活エージェント・OB/OG・先輩の4ルートがあります。人によって添削の観点が違うので、同じESを2〜3人に見てもらって共通して指摘された部分を直すのが効果的です。

面接練習は、録画型の模擬面接ツール(企業向けAI面接として使われるHARUTAKA等を自己練習に転用するケースもあります)と、友人との模擬面接を組み合わせます。録画型は回数を重ねられ、友人面接は人からの視線がある緊張感を再現できる。どちらもやっておくと本番の緊張耐性が上がります。

エージェントはキャリアチケット・Meets Company・dodaキャンパスなどが大手。無料で使えて、求人紹介と対策支援が受けられます。ただしエージェント経由の求人だけに絞ると選択肢が狭まるので、ナビサイト経由の自主応募と併用するのが基本です。

就活で意識したい3つのポイント

早く動くのが有利。これは間違いありません。サマーインターンで早期選考ルートに乗れれば、3年生の冬〜4年生の春には内々定が取れる可能性があります。動き出しが遅いと選択肢が狭まっていく構造なので、3年生の5〜6月までにサマーインターンに応募するというスケジュールは守る価値があります。

完璧主義を捨てる。最初のESは誰が書いても下手です。ESは書いて・見せて・直すを繰り返すことで上達するもので、最初から完璧を目指すと一歩目が踏み出せません。3年生の春にまず書いてみて、キャリアセンターや先輩に見せて、フィードバックをもらう。この繰り返しが、6月のサマーインターン応募に間に合わせる唯一の方法です。

就活は「落ちるのが普通」だと知っておく。平均的な就活生で、受けた企業の80〜90%で落ちます。30社受けて3〜6社の内々定が出る、というのが一般的な数字感覚。1社2社落ちたくらいで凹んでいると、体力と時間が持ちません。落ちた理由を軽く振り返って次に活かす、というマインドセットが、6月まで走り切るために必要です。

就活と並行して、一人暮らしの準備(配属地への引越し)が必要になるケースもあります。配属先への引越し準備もあわせて確認しておくと、4年生の秋以降に慌てずに済みます。

動き出すタイミングは「今」でいい

就活のタイムラインを並べると長く見えますが、やることの密度は時期によって違います。1〜2年生は種まき、3年生の夏〜冬が実践、3年生3月〜4年生春が山場、6月以降がクロージング。この流れの中で、自分が今どの位置にいるかを把握しておくと、動き方が決めやすくなります。

もし3年生の春で「何もやってない」と焦っていても、サマーインターンの応募は5〜6月。ここから1〜2ヶ月で自己分析・業界研究・ESの下書き・就活サイト登録を揃えれば、十分間に合います。完璧な準備を待ってから動くのではなく、動きながら整える。この順番のほうが、最終的には遠くまで行けるはずです。


数値の参照元

  • 採用選考スケジュール: 経団連「採用選考に関する指針」(2021年卒まで適用、以降廃止)、および政府「就職・採用活動に関する要請」(2022年卒以降)を編集部が整理
  • 大学生の内定率: リクルート就職みらい研究所「就職白書2025」(2025年卒データ、2026年4月閲覧)
  • 大学生の就職活動状況: 厚生労働省「大学等卒業者の就職状況調査」および文部科学省「学校基本調査」(2025年公表分)をもとに編集部が整理
  • SPI問題集・就活サイト・OB訪問アプリの情報: 各サービス公式サイトの公開情報(2026年4月閲覧)をもとに編集部が整理
  • 内々定保有率の時期別推移: リクルート就職みらい研究所「就職プロセス調査」(2025年卒、2026年4月閲覧)
  • 就活生の平均エントリー数・選考受験数: リクルート「就職白書2025」および編集部ヒアリング(2026年4月時点)
  • 掲載情報は2026年4月時点の参考値です。実際の採用スケジュール・選考フローは企業・業界・年度によって異なります

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