市ケ谷駅の改札を出ると、外濠の水面とJR中央線の線路が並走する風景が目に飛び込んできます。対岸には市ヶ谷フィッシュセンターの釣り堀、その奥にそびえるのが法政大学のボアソナードタワー(地上27階)。都心のど真ん中なのに水と緑がある。この景色のなかを歩いて大学に向かう毎日は、市ケ谷に住む法政生の特権です。

ここでは、市ケ谷キャンパスに通う法政大学生の「よくある平日」を朝から夜まで追いかけます。

この記事でわかること

  • 朝: 外濠公園を歩く通学ルートと朝の風景
  • 午前: ボアソナードタワーでの授業と空きコマの過ごし方
  • 昼: 学食フォレストガーデン・つどひと、外のランチ事情
  • 午後〜夕方: 飯田橋・神楽坂方面での過ごし方
  • 夜: 買い物・自炊・外食の選択肢

8:30 — 外濠を歩いて大学へ

市ケ谷駅から法政大学の市ケ谷キャンパスまでは徒歩7〜10分。飯田橋駅からも同じくらいの距離なので、どちらの駅からでも通えます。

朝の通学路は二つ。一つは外濠公園の遊歩道を歩くルート。JR中央線の線路と濠の水面にはさまれた道で、3月下旬から4月上旬にはソメイヨシノとヤマザクラあわせて約240本が満開になります。入学直後の4月、ピンク色のトンネルの下を歩いて初めての授業に向かう。この体験は市ケ谷でしかできません。桜の時期が終わっても、新緑の季節は木漏れ日が気持ちよく、秋は紅葉、冬は空気が澄んで対岸の木々のシルエットがきれいに見えます。

もう一つは靖国通り沿いを歩くルート。平坦で歩道が広く、市ヶ谷駅前のセブンイレブンやファミリーマート市ヶ谷店等のコンビニに寄れる。朝食を買いそびれた日はこちらが便利です。

ルート距離所要時間特徴
外濠公園の遊歩道(市ケ谷駅から)約700m徒歩8〜10分桜並木・緑・水面が見える
靖国通り沿い(市ケ谷駅から)約600m徒歩7〜9分平坦でコンビニあり
飯田橋駅から約700m徒歩7〜10分神楽坂下交差点を経由

キャンパスに着くと、地上27階・地下4階建てのボアソナードタワーが正面に見えます。法政大学のシンボルであるこのタワーには教室・研究室・学食が入っていて、学生生活の大半をここで過ごすことになります。

10:30 — 空きコマの過ごし方

2限と3限のあいだ、90分の空きコマ。法政生がこの時間をどう過ごすかで、市ケ谷の暮らしの輪郭が見えてきます。

キャンパス内で過ごす

市ケ谷図書館(80年館)は地下4階から地上2階まで6フロアあり、閲覧席は約1,500席。レポートの締め切り前はここにこもる学生が増えますが、普段は空席を見つけやすい。ラーニングコモンズではグループ学習もできるので、ゼミの発表準備にも使えます。

情報カフェテリアはデスクトップPCと印刷環境が使える自習スペース。レポートの仕上げや印刷はここで。

駅前のカフェに出る

天気のいい日に外に出たくなったら、市ケ谷駅前にカフェが集まっています。

店名駅からの距離電源Wi-Fi特徴
エクセルシオールカフェ 市ヶ谷駅前店徒歩1分ありあり朝6:30から営業、課題向き
カフェ・ド・クリエ 市ヶ谷駅前店徒歩2分ありありカウンター席が作業しやすい
PRONTO 市ヶ谷店徒歩1分ありあり昼はカフェ、夜はバー
喫茶室ルノアール 市ヶ谷駅前店徒歩2分ありありソファ席あり、長居しやすい

エクセルシオールカフェは本屋と隣接しているので、課題に飽きたら棚を眺めて気分転換する、という使い方もできます。ルノアールは客層がビジネスパーソン中心で、チェーンカフェの中では静か。ソファ席で長時間の課題に向いています。

もう少し歩けるなら飯田橋方面へ。スターバックス飯田橋サクラテラス店(千代田区富士見2-10-2、飯田橋駅西口徒歩5分)は電源・Wi-Fi完備で、飯田橋駅近くのカフェ・ド・クリエも穴場です。各店舗の電源席数は公式情報で確認してください。

外濠公園のベンチ

春から秋にかけて、空きコマの過ごし方としていちばん贅沢なのは外濠公園のベンチかもしれません。コンビニでコーヒーを買って、濠沿いのベンチに座る。電車が通り過ぎる音と水面の反射を眺めながらスマホをいじる。これだけで90分は使える。都心のキャンパスに通っているとは思えない静けさです。

12:10 — 昼ごはんの選択肢

3限が終わると昼休み。法政生の昼食は大きく分けて「学食」と「外」の二択です。

学食

ボアソナードタワー地下1階のフォレストガーデンは約350席のカフェテリア。ガラス越しに外濠公園の緑が見える明るい空間で、丼・カレー・麺類・主菜・惣菜をトレイに載せていくスタイル。ハンバーグ定食やから揚げ丼が500〜600円台で食べられます。

富士見ゲート3階のカフェテリアつどひも外濠を一望できるロケーション。とりからランチが人気で、こちらも500円台。「毎日ここでいい」という法政生は多いです。

外で食べるなら

学食に飽きた日は、市ケ谷駅の南側(日テレ通り方面)か飯田橋方面に足を伸ばします。

日テレ通り沿いにはペザント四番町があり、チキンカツ定食や生姜焼き定食が1,000円以下。ご飯の量が多いので、体育会系の学生にも人気です。同じ四番町エリアにある定食店もがっつり系の昼飯を手堅く揃えていて、価格は公式または店頭メニューで要確認です。

飯田橋方面に歩くとラーメン店が増えます。横浜家系ラーメンの市ヶ家は市ケ谷駅から徒歩1分、ライス無料で腹を満たせる。もう少し足を伸ばして飯田橋まで行けば、大勝軒飯田橋店のつけ麺や、辛味噌ラーメン専門の大塚屋(750円〜)もある。昼休みの行動範囲が市ケ谷〜飯田橋に広がるのは、このエリアならではです。

14:40 — 午後の授業、そしてサークル

4限(14:40〜)を終えると15時半を過ぎます。この時間帯の過ごし方は人によってかなり分かれるところです。

サークル活動が入っている日はキャンパスに残る。法政大学のサークルは体育会系・文化系あわせて数百団体あり、市ケ谷キャンパスが活動の中心。ボアソナードタワーの教室やキャンパス内のスペースを使って活動する団体が多い。

バイトが入っている日は市ケ谷から直接出かけます。市ケ谷駅はJR中央・総武線、東京メトロ有楽町線・南北線、都営新宿線の4路線が交差するターミナル駅。新宿まで10分、渋谷まで15分、池袋まで15分。どの方面のバイト先にも出やすいのが市ケ谷の強みです。

何もない日は飯田橋・神楽坂方面をぶらぶらする。神楽坂の路地裏は石畳と料亭の塀が並ぶ独特の雰囲気で、散歩するだけで時間が過ぎます。赤城神社まで坂を上ると、ガラス張りの社殿とカフェが一体になったモダンな空間に出る。ここでコーヒーを飲みながら本を読む午後も悪くありません。

18:00 — 帰り道の買い物

授業やサークルが終わって、帰宅の途につく。市ケ谷に住む法政生にとって「帰り道にスーパーに寄れるか」は生活の質に直結する問題です。

正直に言って、市ケ谷駅の直近には大きなスーパーがありません。これが市ケ谷の弱点です。

飯田橋方面に住んでいるなら、三徳飯田橋店が帰り道に使えます。飯田橋駅から徒歩3分、9:30〜23:00(日曜9:00開店)営業で、肉・魚・野菜が一箇所で買える。もう少し手軽に済ませたいなら、まいばすけっと飯田橋駅北店(JR飯田橋徒歩6分・大江戸線徒歩4分・7:00〜23:00)やまいばすけっと飯田橋駅南店(東西線飯田橋徒歩2分・7:00〜23:00)が便利。価格もスーパー水準なので、日常の食材はここでまかなえます。

市ケ谷駅の南側(千代田区側)に住んでいる場合は、まいばすけっと九段南3丁目店(千代田区九段南3-3-4 ニューライフビル、JR/都営市ヶ谷から徒歩10分、7:00〜23:00)が選択肢に入ります。ただ、品揃えはコンビニとスーパーの中間くらいのサイズ感なので、まとめ買いには向かない。週末にまとめ買いして、平日はまいばすで補充する――というパターンが現実的です。

店名最寄り営業時間向いている使い方
三徳 飯田橋店飯田橋駅 徒歩3分9:30〜23:00(日9:00開店)肉・魚・野菜のまとめ買い
まいばすけっと 飯田橋駅北店JR飯田橋徒歩6分・大江戸線徒歩4分7:00〜23:00帰り道の補充買い
まいばすけっと 飯田橋駅南店東西線飯田橋駅徒歩2分7:00〜23:00駅近の補充買い
まいばすけっと 九段南3丁目店JR/都営市ヶ谷駅徒歩10分7:00〜23:00市ケ谷駅南側の日常使い

ドラッグストアはマツモトキヨシ神楽坂店(飯田橋方面、全日10:00〜22:00)があるので、日用品の調達にはそこまで困りません。

19:30 — 夕飯をどうするか

帰宅して、夕飯。ここで「自炊」と「外食」の分かれ道が来ます。

自炊派は、帰り道に三徳やまいばすで買った食材を使う。市ケ谷周辺の1Kは18〜20m2が中心帯で、キッチンはミニキッチン(一口コンロ、もしくは二口IH)がほとんど。パスタを茹でる、野菜炒めを作る、味噌汁を温める――この程度なら問題なくできます。凝った料理を作りたい人は、まな板を置くスペースが取れる物件かどうかを内見のときに確認しておくと安心です。

外食派は、市ケ谷駅周辺が20時ごろから店が閉まり始めるオフィス街の性質を持っているため、遅い時間に「ふらっと入れる飲食店」は限られます。コンビニかチェーン店(松屋、すき家など)が現実的な選択肢。飯田橋まで足を伸ばせば選択肢は増えますが、毎晩そこまで歩くかというと、面倒に感じる日も出てくるでしょう。

金曜の夜、サークルの打ち上げは飯田橋から神楽坂方面に流れるパターンが定番です。神楽坂の路地裏には学生でも入れる居酒屋やビストロが点在していて、高田馬場のような騒がしさがない代わりに、ちょっと大人びた空気のなかで食事を楽しめます。

22:00 — 夜の外濠と、この街の静けさ

夜の市ケ谷は静かです。

外濠公園の遊歩道には街灯が等間隔に並んでいて、22時を過ぎても足元が暗くなることはほとんどありません。ランニングしている人や犬を散歩させている近隣住民の姿がちらほら見えます。靖国通りはタクシーやバスが深夜まで走っていて、「完全に人がいなくなる」時間帯がない。防衛省市ヶ谷地区が近く、周辺の警備体制が厚いのも安心材料の一つです。

歓楽街がないので、夜中に酔っぱらいの大声で目が覚める、ということはまずない。高田馬場や新宿に比べると圧倒的に静かで、試験前に集中して勉強したい夜にはこの静けさがありがたくなります。

この街で暮らすということ

市ケ谷は「都心なのに落ち着いている」不思議な街です。

外濠の水面と桜並木がキャンパスのすぐ横にあり、防衛省の堀に囲まれた独特の景観がある。靖国通りの南側にはオフィスビルが並び、北側には飯田橋・神楽坂の飲食店街が広がる。4路線が使えるので、東京のどこに行くにもアクセスがいい。

一方で、家賃は1Kで9.5万円前後が相場。大型スーパーが近くにない不便さもあります。高田馬場や中野のように「学生街の安さと賑わい」を求める人には物足りないかもしれません。市ケ谷の魅力は、賑わいではなく静けさと品の良さにあります。外濠の遊歩道を歩く朝の通学路が好きになれるかどうか。それが市ケ谷に住むかどうかの判断軸になるはずです。

家賃の詳細は「市ケ谷の家賃相場」、治安については「市ケ谷の治安」、住みやすさの総合評価は「市ケ谷の住みやすさ」もあわせて読んでみてください。


参照元・注記

  • 通学所要時間: 法政大学公式サイト「交通アクセス」(2026年4月閲覧)をもとに編集部が整理
  • 学食の情報: 法政大学公式サイト「学内店舗・食堂」および法政大学生活協同組合サイト(2026年4月閲覧)
  • 飲食店の価格帯・営業情報: Googleマップ・食べログ・Rettyの掲載情報(2026年4月閲覧)をもとに編集部が整理
  • スーパーの営業時間: 各店舗の公式サイト・Googleマップ掲載情報(2026年4月時点)
  • 外濠公園の桜: 千代田区観光情報公式サイト Visit Chiyoda(2026年4月閲覧)
  • カフェの電源・Wi-Fi情報: 各店舗の公式サイトおよび現地調査系メディア(2026年4月閲覧)をもとに編集部が整理
  • 家賃相場: SUUMO掲載物件(2026年4月調査)をもとに編集部が整理
  • 図書館情報: 法政大学図書館公式サイト(2026年4月閲覧)
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