田町で10万円の1Kを借りると、だいたい6畳の居室にミニキッチン、ユニットバス、小さなクローゼットという構成になります。築20年以上の物件も珍しくありません。「港区で10万円払って、このサイズか」と最初は戸惑うかもしれません。でも朝、田町駅を出て第一田町ビル横を抜けて桜田通りを渡ると、5分で慶應義塾大学の三田キャンパスに着きます。この徒歩5分のためだけに家賃をかける価値があるかどうか、ここが判断の分かれ目です。

駅前にはマツモトキヨシ、まいばすけっと 芝浦3丁目店(23時まで)、少し歩けばマルエツ プチ 三田二丁目店(三田2-14-5)。日用品と食材には困りません。夜は品川・銀座・渋谷のどこにも山手線や地下鉄で10〜15分。港区に住んでいるという体感は、田町駅から毎日歩くだけでも積み重なっていきます。

この記事では、田町・三田駅周辺の間取り別家賃相場と、慶應三田キャンパスに通う学生がよく選ぶ周辺エリアとの比較をまとめました。家賃と通学時間のトレードオフをどう考えるか、3年から三田に移る文系学部生の現実的な選び方まで紹介しています。

この記事でわかること

  • 田町・三田駅の間取り別家賃相場(2026年4月調査)
  • 周辺エリア(芝浦・白金高輪・浜松町・日吉)との比較
  • 「10万の1K」と「7万の1K」で暮らしはどう変わるか
  • 港区に住むという体感と、家賃差のトレードオフ
  • 3年から三田キャンパスに移る文系学部生の選び方

田町・三田駅の家賃相場(2026年4月時点)

田町駅(JR山手線・京浜東北線)・三田駅(都営三田線・浅草線)から徒歩10分以内の賃貸物件を調査した結果です(HOME’S駅徒歩10分以内平均ベース)。

間取り学生向け築古帯平均相場(マンション込み)高め帯広さの目安
ワンルーム(1R)9.5〜12万円台三田14.49万・田町14.93万円17万円〜15〜20㎡
1K10〜12.5万円台三田13.08万・田町12.56万円15万円〜18〜25㎡
1DK13〜15万円台三田17.01万・田町17.99万円20万円〜25〜35㎡

港区の賃貸相場は東京23区の中でも最上位。平均値はマンション・新築込みで1R 14万円台、1K 13万円台。田町・三田エリアはオフィスビルと高層マンションが主体の街並みで、ファミリー向け・社会人向けのハイグレード物件が価格を押し上げています。学生向けの木造アパートや築古ワンルームの供給は、日吉や高田馬場と比べて明らかに少なく、築20年以上・駅徒歩10分超まで広げて9.5〜12万円台の選択肢を狙うのが現実的です。このエリアで物件を探すときは、「港区で学生が住める価格帯の物件を探す」という姿勢になります。

10万円の1Kだとどんな部屋か

田町駅徒歩10分圏で10万円の1Kは、築15〜25年・6畳の居室+ミニキッチン・ユニットバスが相場感です。机とベッドを置くと残りは1畳ちょっと。内装がリフォーム済みなら築年数ほどの古さは感じませんが、部屋の広さそのものは日吉の6.5万円の1Kとほぼ変わりません。つまり田町の3.5万円の上乗せは、広さに対してではなく「港区・三田キャンパス徒歩5分」という立地そのものに払っている、と理解しておくのが正確です。

12万円台まで上げれば、バストイレ別・独立洗面台付き・築10年以内の物件が選択肢に入ってきます。設備の快適さを重視するなら、ここまでの予算を見ておくと探しやすくなります。

9万円台を狙うなら

田町駅徒歩12〜15分の芝浦方面や、三田駅から白金高輪寄りの住宅地に入ると、9万円台のワンルーム・1Kが出てきます。築25〜35年の物件が中心で、設備は最低限。それでも港区内で一人暮らしする前提なら、この価格帯から探し始めるのが現実的です。芝浦アイランド周辺の高層マンションは港区でもハイグレード物件が中心で、学生向けの価格帯はほぼ存在しません。

周辺エリアとの比較

田町・三田キャンパスに通う慶應生は、田町駅だけでなく周辺エリアにも住んでいます。家賃と通学時間のトレードオフで代表的な4エリアを比較しました。

エリア三田キャンパスまで家賃相場(1K)特徴
田町・三田徒歩5分10.5万〜12万円キャンパス徒歩圏。港区のプレミアム
芝浦徒歩10〜15分10万〜11.5万円運河沿いの再開発エリア。田町駅東口側
白金高輪電車4分(三田線)11万〜13万円落ち着いた住宅街。プラチナ通りの高級感
浜松町電車2分(山手線)10万〜12万円オフィス街。羽田アクセスが良い
日吉電車+徒歩で約35分6.5万〜8万円日吉キャンパス徒歩圏。家賃は半額近い

田町と芝浦の違い

芝浦は田町駅東口を出て運河を渡ったエリア。ゆりかもめ方面に向かって再開発が進み、タワーマンションとオフィスビルが混在する街並みです。田町駅から三田キャンパスへは徒歩10〜15分かかりますが、家賃相場は田町中心部より5,000円〜1万円ほど下がる物件もあります。朝の通学は田町駅を経由するのでほぼ同じ動線。ただし飲食店や日常の買い物は田町・三田側に寄せた方が選択肢が多く、芝浦側は静かな住環境を優先する人向けです。

白金高輪は落ち着いた住宅街を求める人に

白金高輪は三田駅から都営三田線で1駅(目黒方面)。プラチナ通りや白金台の住宅街を背景に、落ち着いた雰囲気があります。家賃相場は田町より高めですが、ハイグレードな分譲賃貸も多く、設備重視で選ぶなら選択肢になるエリア。通学は三田線で4分ほどで、日常的な往復のストレスはほとんどありません。

浜松町は羽田・新幹線を使う人向け

浜松町は田町の隣駅(東京寄り)。家賃相場は田町とほぼ同水準ですが、羽田空港へのモノレール直結、東京駅まで山手線で5分という立地が特徴です。地方出身で実家への帰省頻度が高い人、インターンで空港を使う機会が多い人には便利。通学は山手線で田町まで2分。大門・汐留方面の再開発エリアに近く、飲食店の選択肢も広いエリアです。

日吉は家賃を半分にしたい人の現実解

日吉は慶應義塾大学の1・2年生が通うキャンパスの最寄り駅。文系学部の学生は3年から三田に移りますが、田町への通学は東急目黒線+都営三田線の直通で約30分、乗り換えなしで済みます。家賃相場は1Kで6.5万〜8万円と、田町のほぼ半額。4年間日吉に住み続けて三田に通う慶應生は多く、家賃を抑える最も現実的な選択肢として定着しています。

家賃+定期代のトータルコストで比べる

田町に住めば通学時間は5分。日吉に住めば家賃が月4万円以上安くなる。月々の「家賃+三田駅までの通学定期代」を並べてみます。1Kの平均帯を基準にしています。

エリア家賃相場通学定期代(月額)月額トータル
日吉7.5万円約6,490円約8.15万円
芝浦10.5万円0円10.5万円
田町・三田11万円0円11万円
浜松町11万円約1,500円約11.15万円
白金高輪12万円約1,200円約12.12万円

日吉と田町のトータル差は月額約2.85万円。年間で約34万円、4年間なら約136万円の差です。この差額を「港区に住んだ経験」「通学時間ゼロ」にどこまで払えるかが、エリア選びの核心になります。

逆に、田町と芝浦・浜松町のトータル差は月額5,000円〜1,500円程度。このレンジならどこを選んでも同等なので、物件の条件(築年数・設備・広さ)で決める方が満足度は高くなります。

港区に住むという体感

田町・三田エリアで暮らすと、週末の過ごし方が変わります。散歩圏に芝公園と東京タワーがあり、イタリア公園から浜松町方向に歩けば海岸沿いの風景に出ます。夜に銀座・新橋まで徒歩で行ける距離感、品川まで山手線で1駅、渋谷・新宿まで10〜15分という中心性は、郊外の学生街では得られない体感です。

三田キャンパス裏の三田台公園は小さな高台にあり、見晴らしが良い。授業の合間に少し歩いて気分を切り替えるのにちょうどいい場所です。夜遅くに帰ってきても、田町駅前のマツモトキヨシや24時間のコンビニ、まいばすけっと(23時まで)があれば食材と日用品には困りません。

一方で「下町の商店街的な雰囲気」「学生街の密度」はありません。田町はあくまでオフィス街で、夜になるとサラリーマンが去って人通りが落ち着きます。にぎやかさを求めるなら合わないエリアです。

3年から三田に移る文系学部生の判断

慶應義塾大学の文系学部(経済・法・商・文)は、3年進級時に日吉から三田キャンパスに移ります。このタイミングでエリアを選び直すかどうかが、文系学部生の悩みどころです。

パターン1: 日吉に住み続けて三田に通う(最も多い)

日吉から三田駅までは東急目黒線+都営三田線の直通で約30分、乗り換えなし。通学定期代は月6,490円(2025年3月改定後・大学生)。引越しコスト(30〜40万円)もかからず、慣れた街に住み続けられるメリットは大きい。3・4年のゼミや就活で田町に通う時間が増えますが、多くの文系慶應生はこの選択を取ります。

パターン2: 3年進級時に田町・三田に引越す

通学時間を最短にしたい人、港区で2年間暮らす経験を優先したい人はこの選択になります。家賃は日吉時代から月3〜4万円上がるため、仕送り・バイトの見直しが必要です。就活シーズンに田町・品川・東京駅周辺へアクセスしやすい点はメリット。引越し時期は2年の2〜3月、つまり三田移動の直前が物件数も多く動きやすいタイミングです。

パターン3: 武蔵小杉・大崎・五反田など中間地点

日吉と田町の中間にあたるエリアに住む選択肢もあります。武蔵小杉は日吉から東横線で5分、田町へは目黒線+三田線で約25分。家賃相場は1Kで9万円前後と、田町より安く日吉より高い中間レンジ。4年間引越しなしで両キャンパスにアクセスしたい場合の選択肢になります。

初期費用の目安

田町・三田エリアで月11万円の1Kを借りた場合の初期費用です。

費用項目金額の目安備考
敷金11〜22万円家賃1〜2ヶ月分
礼金0〜11万円家賃0〜1ヶ月分
仲介手数料5.5〜11万円家賃0.5〜1ヶ月分+税
前家賃11万円程度入居月の日割り+翌月分
火災保険1〜2万円2年契約
保証料4〜5.5万円保証会社利用料
鍵交換費1.5〜2万円物件による
合計40〜65万円条件によって大きく変動

港区は家賃が高いぶん、初期費用の絶対額も大きくなります。日吉の物件と比べると20万円近い差が出ることも珍しくありません。初期費用を抑えるには、礼金ゼロ・仲介手数料が半額以下の物件を探すのが効果的です。仲介手数料は法律上、借主が払う上限は「家賃の0.5ヶ月分+税」。不動産会社によっては1ヶ月分を請求されることがありますが、交渉や仲介手数料が安いサービスの利用で節約できます。

物件探しのタイミング

慶應義塾大学は1月末〜2月中旬にかけて合格発表があります。港区の物件は供給量が限られるため、動き出しが早い方が選択肢は広がります。

時期状況
11〜12月推薦合格者が動き始める。港区の学生向け物件は数が少なく早い者勝ち
2月中旬〜3月上旬一般入試の合格発表後。物件数は最多だが競争も激しい
3月中旬〜下旬良い物件は埋まる。予算帯を上げるか妥協するかの判断が必要
4月以降選択肢は減るが、条件交渉(礼金カット等)はしやすくなる

港区で家賃10万円以下の1Kを狙う場合は、2月中旬までに動き出すのが現実的です。日吉と違って代替物件が潤沢ではないため、内見は必ず複数件セットで回り、その場で決断できる準備をしておくのがおすすめです。

慶應義塾大学のエリア選びの全体像は「慶應義塾大学で一人暮らしするなら?日吉周辺5エリアを比較」で紹介しています。

毎月の生活費がどのくらいかかるかは「大学生の生活費、毎月どこに消える?一人暮らしの内訳を丸ごと公開」を参考にしてください。


数値の参照元

  • 田町・三田駅の間取り別家賃相場: SUUMO・HOME’S掲載物件(田町駅・三田駅徒歩10分以内、2026年4月調査)をもとに編集部が整理
  • 周辺エリアの家賃相場: SUUMO・HOME’S掲載物件(各駅徒歩10分以内、2026年4月調査)をもとに編集部が整理
  • 通学定期代: 駅探の定期代検索結果(2025年3月15日改定後の通学定期運賃)をもとに編集部が整理
  • 初期費用の項目・金額帯: 宅地建物取引業法に定める費用項目をもとに編集部が整理
  • 現地の街並み・施設情報: 編集部による現地調査(2026年4月)をもとに整理
  • 掲載家賃は参考値です。実際の家賃は物件の築年数・設備・空き状況・時期によって異なります

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