日吉駅の改札を出ると、正面に慶應義塾大学の銀杏並木がまっすぐ伸びています。横断歩道を渡れば、そこはもうキャンパスの中。左を向けば「ひようら」と呼ばれる日吉商店街の路地に、とんかつ屋やラーメン屋やカレー屋がひしめいている。駅と大学と商店街が半径200mに収まっている街——それが日吉です。

ここでは、日吉キャンパスに通う慶應生の「よくある平日」を朝から夜まで追いかけます。

この記事でわかること

  • 朝: 銀杏並木を歩く通学ルートと朝の風景
  • 午前〜昼: 空きコマの過ごし方とひようらランチ事情
  • 午後: 授業後のサークル・矢上キャンパスへの移動
  • 夕方〜夜: 商店街の買い物と帰宅後の時間

8:40 — 銀杏並木を上ってキャンパスへ

日吉駅は東急東横線・目黒線・新横浜線と横浜市営地下鉄グリーンラインが乗り入れるターミナル駅です。渋谷まで東横線の急行で約25分、横浜までは約10分。通学だけでなく、バイトや遊びに出るときの足回りとして不満を感じることはほとんどありません。

改札を出て東口の階段を下りると、目の前に長さ約220m、幅22mの銀杏並木が現れます。両脇に約100本のイチョウが並ぶこの坂道が、日吉キャンパスのメインストリート。4月は新緑、秋は黄金色に染まるこの並木道を毎朝歩く体験は、日吉に住む慶應生の特権です(11月は銀杏の実の匂いが強烈なので覚悟してください)。

銀杏並木をまっすぐ上った先に日吉記念館が見えます。白い外壁が印象的なこの建物は入学式や卒業式の会場。記念館の手前を右に折れると第4校舎、左に折れると来往舎(らいおうしゃ)や独立館に着く。1限の教室がどこにあるかで歩くルートが変わりますが、どの建物も銀杏並木から5分以内。「駅から教室まで10分以内」が日吉の日常です。

場所駅からの所要時間特徴
第4校舎徒歩7〜8分語学・一般教養の授業が多い
独立館徒歩6〜7分大教室がある。大人数の講義向き
来往舎徒歩5〜6分シンポジウムスペースやファカルティラウンジがある
日吉メディアセンター(図書館)徒歩5分自習室・グループ学習室あり
日吉記念館徒歩8分銀杏並木の突き当たり。入学式・卒業式会場

朝ごはんを食べそびれた日は、駅前のセブンイレブンかファミリーマートでおにぎりとコーヒーを買うのが定番ルート。急いでいるときはキャンパス内の生協購買部でパンを掴んで教室に向かう慶應生もいます。

10:30 — 空きコマをどう使うか

2限と3限のあいだの90分。この空きコマの過ごし方で、日吉生活の快適さが決まると言っても言い過ぎではありません。

メディアセンター(図書館)にこもる

日吉メディアセンターは銀杏並木から少し外れた場所にある図書館です。閲覧席は十分に確保されていて、試験前でなければ席に困ることは少ない。個人の自習席で課題を片付けるか、グループ学習室でゼミの準備をするか。「90分あるからレポートを進めよう」と思ったとき、いちばん確実な選択肢です。

キャンパスのベンチで過ごす

天気のいい日に図書館にこもるのはもったいない。銀杏並木のベンチに座って、コンビニで買ったコーヒーを飲む。4月の新緑の時期は木漏れ日が気持ちよく、これだけで空きコマが終わります。キャンパスの敷地面積は約10万坪と広く、散歩するだけでもリフレッシュになる。

ひようらに降りてカフェに入る

キャンパスを出て、駅の西側に広がるひようら(日吉商店街)へ。日吉のカフェはチェーン系が中心ですが、駅前のタリーズコーヒーは席数も多く、課題を広げて作業している学生をよく見かけます。少し歩くならAdd Sugarは12席ほどの小さなカフェで、ハンドドリップコーヒーと季節のシフォンケーキが人気。静かに過ごしたい日にはこちらのほうが落ち着きます。

12:10 — ひようらのランチは選択肢が多すぎる

3限が終わると昼休み。日吉キャンパスの昼食事情は、ほかの大学エリアと比べても恵まれています。キャンパス内の食堂とひようらの飲食店を合わせれば、2週間以上毎日違う店で食べ続けることも不可能ではありません。

キャンパス内の食堂

生協食堂は日吉キャンパス内で最も利用者が多い食堂です。定食・丼・麺類・カレーが揃っていて、生協会員なら10%OFFで利用可能。400〜600円台で昼食が収まるので、食費を抑えたい日はまずここ。ファカルティラウンジ(来往舎1階)はもともと教職員向けのレストランですが、12:15〜13:00の時間帯以外は学生も利用できます。少しだけ贅沢したい気分の日に。

ひようらの外食

日吉駅の西口を出てすぐ広がるのが、放射状に伸びるひようらの路地。学生の昼食に最適化された飲食店がぎゅっと詰まっています。

店名ジャンル学生の予算感特徴
キッチンとらひげ洋食定食老舗洋食店。ハンバーグとロースかつの盛りが良い
武蔵家 日吉店家系ラーメンラーメン+ライス無料学生人気の高い家系ラーメン店
HI, HOW ARE YOUカレーカレー単品スパイスカレー。カウンター中心で一人でも入りやすい
まちノ食堂定食定食チキン南蛮定食が人気。落ち着いた雰囲気

価格・営業時間は各店舗の公式情報やGoogleマップで最新を確認してください。

「迷ったらキッチンとらひげ」という先輩は多いです。ハンバーグやロースかつの盛りが良く、2限後の空腹をしっかり満たせる。ラーメンの気分なら武蔵家。濃厚な家系スープとライス無料のコスパで、昼時は行列ができることも珍しくありません。

チェーン系も揃っています。松屋・マクドナルド・日高屋が駅前にあり、手早く済ませたい日に困ることはない(すき家は駅前ではなく港北箕輪町側にあるため少し歩きます)。ひようら全体で多数の飲食店があり、昼の予算は500〜1,000円。学生の財布に合った価格帯が街全体に浸透しているのが、日吉に住む大きな安心材料です。

14:40 — 午後の授業、そのあとの時間

4限(14:40〜)が終わると16時を回ります。ここからの過ごし方で、日吉の平日は人によってまったく違う表情を見せます。

サークルや部活がある日

慶應義塾大学の日吉・矢上キャンパスには多くの体育会・サークルが活動拠点を置いています。日吉記念館周辺のグラウンドや体育館が練習場所になることが多い。体育会系の部活は週4〜5日の練習があるので、平日の放課後はそのまま部活に直行、というパターンになります。

文化系サークルの場合はキャンパス内の教室やスペースを使って活動。音楽系のサークルが特に多いのは慶應の特徴で、日吉キャンパス周辺で練習場所を探す学生の姿をよく見かけます。

理工学部生の矢上移動

理工学部の学生は、2年後半から矢上キャンパスへの移動が始まります。矢上キャンパスは日吉キャンパスの裏手、徒歩15分ほどの丘の上。日吉駅から見ると坂を上った先にあり、行きはちょっとした運動です。理工学部生にとっては日吉に住むメリットがとりわけ大きく、「矢上の坂を上って通うなら日吉一択」という声は根強い。

バイトに向かう

東急東横線は渋谷まで約25分、横浜まで約10分。どちらの方面にもバイトに出やすい。日吉駅周辺にもひようらの飲食店やコンビニでバイト募集が出ていて、授業後にそのまま働ける場所が見つかりやすいのも学生街ならではです。

17:30 — 帰り道の買い物

授業もサークルも終わり、帰宅の途につく。ここで「帰り道にスーパーに寄れるか」は、一人暮らしの生活の質に直結します。日吉はこの点がかなり優秀です。

日吉東急アベニュー(駅ビル)の地下にある食料品フロアは品揃えが充実していて、惣菜・鮮魚・精肉がひと通り揃います。帰り道の動線上にあるので「改札を出てそのまま地下に降りて買い物して帰る」という流れが自然にできる。

もっと手軽に済ませたいなら、まいばすけっとが駅周辺に複数店舗。日吉駅西口店は駅から徒歩3分で、食材を数点だけ買い足したい日に便利です。24時間営業のリコス(旧ピアゴ)もあるので、深夜にどうしても何か必要になったときでも対応できます。

店名駅からの距離営業時間の目安向いている使い方
日吉東急アベニュー 食料品フロア駅ビル直結10:00〜21:00惣菜・鮮魚・精肉のまとめ買い
まいばすけっと 日吉駅西口店徒歩3分7:00〜24:00帰り道の補充買い
リコス(旧ピアゴ)徒歩3分24時間営業深夜の買い出し
まいばすけっと 日吉7丁目店徒歩15分8:00〜23:00自宅が日吉7丁目方面の人

ドラッグストアは日吉東急アベニュー内のマツモトキヨシ日吉東急アベニュー店があり、日用品の調達にも困りません。

19:00 — 夕飯と夜の日吉

部屋に帰って夕飯。自炊するなら、さっき買った食材で簡単なものを作る。日吉の1Kは6畳の居室にミニキッチンとユニットバスという構成が標準的で、パスタを茹でる、野菜炒めを作る程度なら問題なくこなせます。

自炊する気力がない日は、ひようらに戻って外食するか、帰り道に日吉東急アベニューで惣菜を買って帰るか。金曜日の夜はサークルの打ち上げでひようらの居酒屋に流れるパターンが定番です。飲み放題コースで2,500〜3,500円。高田馬場のさかえ通りのような大規模な居酒屋街ではありませんが、学生が普段使いするには十分な選択肢があります。

21時を過ぎると、ひようらの人通りは減り始めます。23時を超えるとほとんど静か。駅の東口(キャンパス側)はもともと住宅街なので、夜は穏やかそのもの。街灯は整備されていて、女性の一人暮らしでも駅から徒歩10分圏内なら夜道に過度な不安を感じる環境ではないでしょう。

試験前の夜、部屋で教科書を広げていると外から聞こえるのは虫の声くらい。この静けさの中で勉強に集中できるのは、繁華街にない日吉の良さです。

この街で暮らすということ

日吉は「学生街」の典型のような街です。

駅を出たら目の前に銀杏並木とキャンパス。振り返れば商店街。通学時間ゼロ、昼食は3分で着く場所にある。スーパーは帰り道にあり、深夜営業の店もある。渋谷と横浜の両方に電車1本で出られる。一人暮らしの慶應生が「まず日吉を検討する」のは、この利便性の高さが理由です。

一方で、日吉に住むのは多くの場合1〜2年間。3年からは三田キャンパス(田町駅)に通学先が変わる学部が大半です。日吉から三田まで東横線で約35分。通えなくはない距離ですが、3年のタイミングで引越す先輩もいます。「日吉で過ごす1〜2年」をどう充実させるかが、この街に住む意味と言えるかもしれません。

家賃相場の詳細は「日吉の家賃相場」、治安データは「日吉の治安」、住みやすさの総合評価は「日吉の住みやすさ」もあわせて参考にしてみてください。


参照元・注記

  • 銀杏並木の情報: 慶應義塾大学公式サイト「日吉キャンパス」ページ(2026年4月閲覧)
  • キャンパス施設・学部配置: 慶應義塾大学公式サイト「日吉キャンパス」および塾生サイト(2026年4月閲覧)
  • 学食・生協の情報: 慶應義塾生活協同組合公式サイト(2026年4月閲覧)
  • 飲食店の価格帯・営業情報: Googleマップ・食べログ・Rettyの掲載情報(2026年4月閲覧)をもとに編集部が整理
  • スーパーの営業時間: 各店舗の公式サイト・Googleマップ掲載情報(2026年4月時点)
  • 交通アクセス: 東急電鉄・横浜市交通局の路線情報(2026年4月時点)
  • 価格・営業時間は変動することがあります。訪問前に最新情報を確認してください